Hotchpotch Miyagi

元某編集チョー、今しがないコーホーがお送りする、ごった煮みやぎ。

ミシュランとかの権威には負けぬ。

本日は広告屋時代の後輩とランチに。ラーメン!蕎麦!うどん!パスタ!という麺縛りのオーダーに用意したのは、古川の「ミートレストラン T's」。その名の通り、お肉屋さん「髙正精肉店」が直営するレストランなのですね。以前、ハンバーグの取材でお世話になりました。

これこれ(写真は取材時のものを拝借)。肉のプロとしてのプライドが見え隠れする逸品でした。舌ざわりは滑らかなんだけど、有りがちな「練りもの感」がないのですよ。あの感動を再び…とも思ったのですが、今日は「俺のナポリ(1,404円)」をチョイス。

取材時にしれっとナポリタン自慢をしていた店主。ずっと気になっていたのですよ。店主曰く、懐かしい味わいを目指し、とある素材を使ったところ劇的に美味くなったのだそう。ヒントは「あの時代はこの材料を使っていた」ということ。うん、相変わらず全っ然わかりません。

パスタはナポリタンにしては細め。濃厚ケチャップ。コシありタイプ。味は懐かしいけど、しっかり今っぽい雰囲気もあります。ビーフシチューとソーセージもかなりのレベル。古川のランチにしてはお高めだけど、コスパは上々。店主が自慢したくなるのも理解できます。

こちらのお店、去年発売された「ミシュランガイド宮城2017」にも掲載されたとのこと(昨日知った)。よく古川くんだりまで来てこの店見つけたな、と感心。でも実際、この世界的な権威も訳わかんない店を載せてたりするので、信用には足らず。だってあの某店、味しないじゃん!とかブーイングしてたら、サラッと廃業してたりもしてましたしね。結局信ずるに足るのは己の舌ですよ。ナポリタンの秘密わかんないけども。


ミートレストランT's宮城県大崎市古川台町9-20(Google マップ

久しぶりに新規開拓。

新店ができたと小耳に挟めば、宮城県内津々浦々。納得する一杯を月一で紹介するという仕事は、結構大変なのですよ。〆切間際なのにまだ店が決まらない!なんて時は、一日に4杯食べたりなんかして。気がつけば血圧も体重も上昇。これは労災級ですよ。死んだら訴えてやる。

と、久しぶりの新規開拓は、宮城野区福室の「麺牛ひろせ」さんへ。新店とは言っても、松井秀喜がNYヤンキースに行ったようなものですよね。

取材なしでは味覚に自信がないので(過去記事参照)、牛を必死に感じるべく醤油味ではない「特製塩牛そば(1,000円)」をオーダー。「牛すじご飯(250円)」も頼まない訳にはいかないでしょう。

なるほど。この旨味が牛さんなのですね。皆さんSNSなどで、牛の旨味が!牛の旨味が!!って言うけれど、僕には馴染みがないのでこんな感想でした、いやぁ正直者。ローストビーフも見た目のインパクト大。…うん、我ながらいやらしい書き方です。

十分美味しいんだけどねぇ、と偉そうに思いながら卓上のわさびで味変。するとこの鮮烈なアクセントで全体の印象がキュッと締まる。そして、華やかなローストビーフに隠れがちな牛すじ。これと一緒にスープを味わうと、牛のふくよかな旨味が強烈に襲ってくるのです。

骨に筋肉がまとわりついて…

…リアルでこういう印象でした。閃光とともに、口の中で「牛」ができあがる感じ。いやぁ、凄い。「木を見て森を見ず」とはこういう事ですね。反省反省。


麺牛ひろせ宮城県仙台市宮城野区福室弁当二番25-2(Google マップ

性と暴力そして革命。

白石和彌監督作品「止められるか、俺たちを」、監督と井浦新タモト清嵐の舞台挨拶があるので行ってきましたよ。

監督が二十歳のころ門を叩いたという「若松プロダクション」。故・若松孝二監督の元に集まった若き才能らの群像劇です。ちなみに、若き日の若松監督を演じる井浦新若松プロの俳優部出身だそうで。いつもの流れでwikipediaで知ったと言いたいところですが、今回は舞台挨拶で聞いた内容でした。

主演は門脇麦。監督にはなりたい。でも、どんな映画をつくりたいのか分からない。そんな、現代の若者にも通じるような「ふわり」と懸命な助監督を演じます。どの時代も大多数の人はそんなもんなんでしょう、同じ人間ですから。あの時代は輝いていた!なんて言うのは、大抵が老人の戯れですよ。いつだって、悩んで怒って歳をとる。

エンターテイメント性はほぼ無し(ただし三島由紀夫のシーンは最高)。面白いかって言われると微妙。ただ、若松監督およびその周りの面々、そしてその時代への愛が溢れてます。かと言って、ただ美化するのではなく、格好悪い部分もしっかりと描いているあたりは、さすが白石監督と言ったところでしょうか。あと若松作品処女なので、貫通した後に観たらまた印象が変わるのでしょうね。

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それよりもですよ。若松プロはどうだか知らないけど、手塚プロといい藤子プロといい、故人の功績をもって飯を食ってるプロダクションって気に入らなくないですか?ん、石原プロもか。

版権管理とかなら理解できるが、その名を拝借して新作を出したりするのが腑に落ちない。才能は一代キリ。クリエイティブに跡取りはいないのだから。自分の名前で勝負しやがれ。


あ、取り乱しました。


amazonプライムに若松作品がないなぁ。久しぶりにTSUTAYAにでも行ってみますかね。

うまいコーヒーにセカンドもサードもない。

最近のサードウェーブと呼ばれるコーヒーブーム。


サードウェーブコーヒーは、ワインや茶、チョコレートのような他の食品植物のように、消費者が風味、品種、産地の素晴らしい特性を理解できるよう、適切な焙煎、抽出がなされることが求められる。サードウェーブコーヒーの大きな特色としては、直輸入のコーヒー、高品質なコーヒー豆、シングルオリジン、浅煎りの豆、ラテ・アートにある。(ウィキペディアより)


昔の日本に入ってくるコーヒー豆は、長い航路で傷んだものが多く、深く焙煎することで味を誤魔化したのだそう。しかし、技術の発達によって日本にも新鮮なコーヒー豆が流通するようになり、本来のコーヒーのポテンシャルを発揮できているのが、このサードウェーブなのだとか。事実、本当に桃ジュースみたいなコールドブリューとかありますからね。昔は「酸味」と表現してましたが、あれは「果実味」と表現すべき味わいだったのです。

でも、個人的に好みなのは、結局、深く焙煎されたコーヒーです。特に好みなのが、立町にある「松本珈琲店 まつりか」のコーヒー。二代目の店主は元ソムリエ。店を継ぐと決めてから語学を学び、ブラジルに渡り政府認定の「ブラジル珈琲鑑定士」の資格を取得。ソムリエの経験を生かしたコーヒー評が現地でも話題となり、ブラジルに残って欲しいと嘆願されたほどの人なのですよ。

本日のチョイスは「エメラルドマウンテン(850円)」。松本さんの評価は、「最高級カカオやナッツのようなアロマ、甘くエキゾチックな花のフレーバー、比類のない深い味わいと香りの名品」とのこと。そこまでは分からないけど、苦味はあるけど雑味やエグ味が皆無。とてもキレイな味がするのです。

ちなみに松本さんは、焙煎などについては教科書の逆張りばかりなのだそう。豆を購入する場合も、ミルで挽く際は通常よりも粗めに設定するなど、色々と普通じゃないお店です。メニューは、コーヒー各種とコーヒーゼリーのみ。年齢層高めの常連さんは、席に座った途端に「マスターブレンド!」とコールします。こちらは550円。決して奢ることなく、オシャレ振るわけでもない、古き良き喫茶店なのですよ。普通じゃないけど。美味いコーヒーには、セカンドもサードもないのです。

で、きちんとした技術で淹れられた最近流行りのコーヒーは美味しいんですが、たまに勘違いしている店があるのも確か。「うちのコーヒーはアッサリしてるので」なんて言ってたけど、それ水っぽいだけだからな。味しねえよ。


松本珈琲店 まつりか宮城県仙台市青葉区立町22-14(Google マップ

キューブリック×IMAXの破壊力よ。

仕事終わりに観てきました「2001年宇宙の旅」のIMAX上映。大学生の時に観て以来、20年ぶりぐらいに再見。印象的なカットは断片的に覚えてますが、正直中身は忘れました。ほら、ファッション的に映画観るの流行ったんですよ、バグダッド・カフェとかバッファロー'66とかビッグ・リボウスキとか。

んで感想。

すごくヤバい。

お前の語彙力どこ行った?という表現ですが、こう言う他に賛辞の言葉が見当たらない。学生当時は、先にも書いた通り「キューブリック観てる俺カッケー」的に作品を観てました。加えて、流れていたのは貧乏学生の部屋にある小さなテレビ画面。音は小さなスピーカーから。酔っ払いながら「なんだこのラスト」と思いつつ、ステータスとして「観た」ことにしてたのです。

youtu.be


今日はじめて映画館で観て、IMAXという素晴らしい環境でこの名作を観て、トラウマレベルで心に刻まれました。あの映像美と音楽は異常。これは、映画であり、現代音楽のMVであり、絵画でポエムだ。コンピュータが呟く「I’m afraid. 」はヤバすぎる。50年前ですよ?このラーメンおじさんですら生まれてないんですよ??

そしてCG全盛の映画業界。確かにキレイだしスケール感も半端ないし、なんでも出来ちゃうんだけど嘘くさい。映像からは、もはや驚きも何もない。火が熱く感じないのだ。でも本作のSFXには、驚きと感動と感情がある。日本ではイタイイタイ病とかの時代にあのラストのあの映像。キューブリック自身が未来からやって来たんじゃないかと疑ってしまう。

中学生もワンクリックで無修正のエロ動画見放題な時代。昔は黒く塗りつぶされたエロ本にバターやシンナーを擦り付けて奥の奥を覗こうと努力してた訳です。このどちらにクリエイティブは宿るのかって話ですよ。

限定の鬼が水曜日に舞い降りた。

通常は水曜日が定休の「らー神 心温」さんですが、なんやかんやと本日(水)は臨時営業されるとのこと。しかも本日スペシャル限定「汁なし味噌バターコーン(850円)」があるとのことで、久し振りの訪問です。

味噌+コーン+バターの組み合わせはズルい!しかもバーナーで炙ったコーンの香ばしさが加わるのがよいです。コーンひと粒残さずいただいてしまいました。

それにしても、心温さんの異常なまでの限定愛。以前、取材させてもらったときは「限定は生き甲斐」と言い切り、その手間暇すら楽しいという話は衝撃的ですらあったのです。で、数年経って、

このツイートを見たのです。前回食べられなかった「本気ナポリタン」時のものですが、


ラーメンというジャンルにとらわれたくはない


この想いの熱さですよ。
前も書いたけど、店主がコレ!と言ったらそうなんです。この世界観にハマった人が多いからこそ、臨時営業でも行列ができる人気店のひみつなのだと思うのです。あゝ、本気ナポリタンやっぱり食べたかった。


らー神 心温宮城県仙台市青葉区中山台2-27(Google マップ
心温かきは万能なり―桜井章一箴言写真集

心温かきは万能なり―桜井章一箴言写真集

何気に職人の技が光るひと皿だったり。

心温の「本気ナポリタン」を食べ損なったので、悔しまぎれに荒町商店街の「珈琲店ぴーぷる」へ。オーダーは勿論「ナポリタン(540円)」。調子に乗って、大盛りコールで+150円。デスオイルを仕込んでくるんだった!と後悔しつつ、タバスコドバーッでいただきます。

かたさはモルビド。イタリア語で「柔らかい」という意味ですね。さっきwikiで調べました。いわゆる昭和のスパゲティ、だがそれがイイのです。特筆すべきは濃厚なケチャップの味わい。これって鉄のフライパンで火を通し、パスタの表面につけた傷から味を染み込ませているのだそう。家では出来ない味なのですよ、職人の技が光るのですよ。あ、パスタじゃないや、スパゲティだ。

で、食べても食べてもなくならないナポリタン天国。天国と地獄って紙一重だなー、なんて思いながらペロリ完食させていただきました。美味しいナポリタンの条件って、アイスコーヒーを飲みたくなるかどうかだと思ってます。ココはどうかって、超アイスコーヒー飲みたい。ケチって単品オーダーしたのが悔やまれます。

だもんで今からコーヒー淹れるのです。ラーメンと同じくらいコーヒー大好き。だからこそひと言申したい、「似非」サードウェーブコーヒー問題。これは長くなるので、今度、大好きな喫茶店でゆっくり書きます。


珈琲店ぴーぷる宮城県仙台市若林区荒町112(Google マップ